チラ裏論文

考察厨がチラ裏だけでは耐えられず暴走して作ったブログ。現在はうたいつで考察を重ねる毎日。

世界で一番幸せな魔物

ご無沙汰しております。私です。

うたわれに溺れブチャジョルに呑まれ元気に生きています。いつかこのブログでもブチャジョルの話をするかもしれませんが今日は実はそのどちらでもない話。タイトルにある通りもち御大の名作の一つ『魔女の下僕と魔王のツノ』についてです。お時間あればよしなにどうぞ。

 

※漫画の考察です。作品から純粋に受け取っているつもりですがサウアル沼に落ち着いているのでお察しください。いやもち先生もサウアル沼落とすつもりだったでしょ~~~~てなるもののアルレイもすこです。すこすこのすこ。全登場人物幸せになって。

 

最新刊でました11巻。感慨深いですね。始まりからずっと追っているのは今作が初めてだったのでなんだか一押しの感慨深さです。新刊がゆっくり出るので新刊が出るたび全巻読み直ししたりしているんですが今回は予想される地獄だったので自分で纏めていたメモ読み直したうえで挑みました。正直ベティとアルセニオの話を10巻までを踏まえて書きたかったなと思いつつ予想以上に原作が光だったので全て許しました。ではいつも通り論文もどきを気取って以下つらつらと失礼いたします。

 

 

 

一、『魔女の下僕と魔王のツノ』1~10巻と外伝『教国のレクエルド』

最新刊を語る前に。主人公は鋼の精神の安定感とそれ故の苦悩と愛しさを持てる最高に良い奴です。良い奴なんです。良い奴だけど自身の真っ直ぐな良心を決して曲げることはないのでそれ故にいつだって茨の道です。相当な頑固者なので戦士の皆様が信頼しないのがよくわかる(最新巻の話)。アルセニオの物語であるからこそアルセニオという人が存分に描かれているこの作品、アルセニオによって変われた人、気づけた人、逆にアルセニオを変えていく人達が「誰かを愛するとはどういうことか」を丁寧に紐解いてくれる書です。究極言えばBL作品なんですがBLとかNLとか関係なくなります。断言します、なくなります。そんな枠組み些細で粗末ででも大きな壁だということを知れる作品です。壁だからその人によって壁の高さや厚さが違って、でも他の人と交流して知ることで抜け穴が見つかったり実は厚くないと知れたり、愛するとは何なのかどういうことなのかを感じられる。そんな素敵で美しいお話です。

 

別にあらすじを書こうというわけではないので登場人物の紹介は割愛。原作を読んで。感じたままがあなたの中の皆。狩りに不安を感じていた大人しくも元気いっぱいのレイちゃんが狩人として覚醒する過程は一見の価値あり。愛する人の為なら人は狩人にもなれると言いたいところですが完全に戦闘民族の血が遂に覚醒してしまっただけなのでそこがまたよい。愛の狩人ロイドは狩ると決めたら早かった。基本的にヒュペルボレア組はエリックを除いて恋とか愛とかを論理的に考えることはないので気付いたら早いということなんだなあと10巻ではまざまざと感じました。戦闘民族最高。

でもレイはまだ気持ちに整理がついていないしサウロという恋のライバルが堂々と出てきてしまったのでどうなるのかなあと思っていますがどんな選択をしたって誰も悪くないし間違っていない。それが魔女ツノのいいところです。

エリックが皆を理論的に武装してくれている安定感とベティちゃんという超絶ポジティブ魔女がいる限りその周りのみんながそういう偏見とかで孤独にならないと保証されているのがとてもいい。福利厚生最強。ベティを守るアルセニオが最強のセコムとしていてくれるのもまた良い。もう全ての人間関係が最高にいい。ただしモブはわかりやすくモブ。流石は我らのもち先生、モブに一切の容赦も良心もねえ。と、この辺りがBLもNLもGL(主要人物は元男ばっかりなので見た目だけ)関係ないということでした。ただのLOVEのお話なのです。

 

親愛、友愛、家族愛、そこに恋愛を明確にぶち込んできたのはついにヒロイン揃いましたと爆弾投げ込んでくれた7巻でサウロ君が登場したからなんですよねえ(愉悦)

表紙も!親友コンビで揃っていて良いんですけど魔物のアルセニオが真っ直ぐ上を、騎士となって華々しく生きている筈のサウロが下を向いているのが印象的ですよね。この5年間で二人を取り巻く人間関係がどう変わったのかわかりやすいほどにわかる。そして7巻の帯と8巻の帯を見比べて即落ち2コマを感じる。かつての親友というだけでウィークポイントなのにそこに来て信仰に反する魔物でも共に堕ちるのも悪くないなんて台詞公式にぶっこまれて無事な私なんていない。好きじゃーーーん!それ絶対好きじゃん!!!もう好きって言えよ馬鹿嘘ですレイちゃんのためにもう少し両片思いでいて!

友達なんていないと言いながらイスパニアのことを思い出すとき必ずいるサウロ。そして過去編だけで外伝でました『教国のレクエルド』。正式登場の7巻にある台詞だけでもサウロからアルセニオへの友情を痛いほど感じるというのにそれを後押しする過去編が単行本で、同時進行連載で出る。……いい世界に生まれちまったな全く……。何も憂いない少年期がキラキラと輝くほど7巻を思い出し胃を痛める我々。今後についてや恋愛方面では色々事件のある教国編ですけどそれが大きな事件に思えるほど平和な国なんですよね。トノコ信教に守られている間だけは本当に平和ないい国ですけど魔物が絡んだ途端に残酷で醜悪な国に早変わりするのがなんとも面白いものです。

教国に関しては連載も読んでいるんですが刻々と心が殺されていくしネクロマンサーが出てきてサラことサラマンダーにアルセニオが気に入られてからは苦しさしかなくて……はあ苦しい。12/12の更新まで読んだんですがそれに関しては後述。ただただ他の人達の感情が大きな渦になってアルセニオの良心からくる信仰心がより辛い状況を進ませてしまったのをみると神なんていない方がよかったのではと思ってしまうんですよね……でもアルセニオは神をずっと信じているし心だけは人間でありたいと思っている。人間であると思う本質はまだ神を信じているから、だったらと思うと流石の私も神を愚弄出来ない。悔しい。悪いのは神の御心を盾に威を借る狐している屑な人間どもなんだ…………教国ではアルセニオとサウロ両者のクソデカ感情を見せつけられて7巻を読んだ私を殺してくる……いや殺さず嬲ってくる……コロシテ…コロシテ……同じ感情を味わって欲しいので全人類に読んで欲しい、それが既刊です。

 

 

二、アルセニオとサウロ。

さてはて私はレイちゃん可愛いな~イケメンだな~やっぱ可愛いな~キャッキャとしていた勢の人間です。どちらかというとアルセニオとベティの関係に萌え萌えなタイプの人間でした。小さくて可愛いご主人様の笑顔を守るために戦いに不慣れな下僕(ただし憑いている精霊は結構強い)が頑張る、そして同じ目的をもつ仲間が増えてベティとビビアンだけだったアルセニオの世界が広がっていくということに幸せを感じてました。なのでレイちゃんとくっつくかどうかとかそういうことはあまり感じてなかったところがある。見ていて可愛いコンビなのは認めるしレイちゃんがロイドといるときの悪友な感じも好き。キューティクル探偵のこともあってこちらもあまり恋愛重視のお話じゃないと思っていたんですよね。そうだね、8巻でサウロ君、君が覚醒するまでね。

 

なんなんだあのクソデカ感情。

 

私を沼に叩き落としやがって好きだぞ愛してるぞ!!!神(もち先生)がサウアルを愛せよと言うのだ、愛するしかない。しかし愛した途端出てくる弊害、レイちゃんの恋模様をどうするんじゃ!だがしかし流石はもち先生、此処でこれまでが生きてくる「主人の願いを叶えていないのにそれは考えられない」う~んこの清々しい下僕並の感想。

ここまでオタク特有の早口で言い切る自信がありありのありなんですが登場人物の誰一人ベティちゃんを超えることはないしベティちゃんからアルセニオ、アルセニオからベティちゃんへは恋愛感情は発生しない安心感ありがとう、そしてありがとう。ベティもビビアンもアルセニオも唯一無二の家族なんですよね。愛しい。ずっと守りたい……。でも二人がアルセニオの唯一無二の家族だと感じる度にそれだけ神官に捕まってしまったあとイスパニアを出た時のアルセニオが世界に、そして信仰に痛めつけられたのだと感じてしまうのが辛かったしヒュペ組が来てくれてよかったなと思うのである……

でもアルセニオの愛する家が平和になったあとは?となるとこの8巻までの話が全部生きてくるんですよね。人を愛するのに男とか女とかそんなことが関係あるのか?魔物は恋をしないのか?エリックと友情を育むことで知れたビビアン以外が説く持論や魔物としてでなく人としてでなくアルセニオを見てくれる仲間達の存在を強く感じたあとに人間の自分はまだサウロの友人なのだと知ったアルセニオ。……なんだこの完全なお膳立ては……(困惑)こんなの恋するしかないじゃん……留めに我らが女神ベティちゃんがサウロと仲直り出来ないのは本当?私とサウロは仲良しになれない?試してないのに?とアルセニオの背を押してくるの最の高。ベティさん大好き。サウロを助けたいと思うのはアルセニオなら当然だと思うんですがサウロはたらしだし女の子に見境ないから騙されているうちはデートぐらいしてあげるか、て好物を思い出しながら案内する店考えるアルマちゃんくっっっっっっっっっっっっっそ可愛いしそれは恋愛感情だよぉ!!!てなる気持ちを抑えきれない。抑える必要があるのか?いやない(反語)

サウロもサウロで親友を乗っ取った悪魔を倒して喜んで良いはずなのに気持ちは晴れないしもしかしたら自分は間違ったことをしたのではないかというような顔でしたね。教国のネクロマンサー回で「なにか罰を受けるのでしょうか」と神に問うていたことの返答は魔王城でアルセニオを倒したあとも出てなかったと思うんですが確実にこの世への未練はなくなったんじゃないかと思うんですよ。そして浄化したアルセニオの魂は絶対に天国にいっていると疑ってないのが愛しい。そのタイミングで来たアルマに在りし日のアルセニオを重ねて見てしまったのは果たして愛でないのか!?いや愛でしょ!熱で朦朧としながらも引き留めて「また明日」という返事に素直に喜べる。それだけアルセニオがサウロにとって傍にいて欲しい人なんでしょ!(激おこ)

最初からアルマ=アルセニオがわかっていたアルセニストですけど正直少年期を仲良く過ごしたサウロじゃなくてもわかる。どうみたってアルセニオじゃん。教国の時から君は向こう見ずで!そこが!より好き!(でも武力過多の人員を必ず傍に侍らせてくれ頼む)。戦士達が諫めるのは当然なんだよなあという危機感のなさとお人好し……だからこそロイドが「アルセニオは死んだ」と言って脅してきたのを笑えたと思うんですよね。お前の腕の中にいる演技下手くそ選手権優勝な女の子がアルセニオだろ?て。どうしても取り返したいものがあって女の格好して近付いて、……なるほどなとやっと合点がいったみたいな笑みがロイドの逆鱗に触れちゃうの最高に「キャーロイド様ー!」ポイントでした。彼は家族や友人を愚弄する者に怒れる人なんだよ……ロイド様……とそれはさておき変なところでサウロニストじゃなくなるアルセニオが悲しそうな顔をしたところで迂闊さに気付くサウロの、顔、顔……切ない…!友愛が重い自覚があって、思い出が美化されすぎてて、共に生きられるなら共に堕ちてもいいと思った人を悲しませた罪の重さ……誰よりも持たざる者のサウロならわかった筈。夜中枕が違って魘されてたしね……ベティの初めての魔導具がずっとアルセニオを悪夢から守ってたんだなと知れるし尋問という名の拷問を受けても尚違うと言い続けてたアルセニオを知ってしまったら……ショックだったよな……(神様の次に助けを求める相手がサウロしかいないのえもえものえもなのは置いておきます)。魔物かどうかに気を取られてずっとアルセニオとどういう関係になりたいのか考えないようにしてたのがそこで後悔に変わって仲直りどころか傍に戻りたいと思う決断の良さ、やっぱお前騎士には向いてないよ……教国時代にネクロマンサーにも言われてた自分のために戦うていう意味の向いてないじゃなくて(実際あの瞬間ならネクロマンサーを逃がしてたらやばいていうのは騎士として当然の判断だと思うし)サウロは神の教えも神の存在もわかっているけれど目の前にその指針がないと信じ切れないタイプの人間だと思う……そして知らず知らずのうちにその目に見える良心をアルセニオに置いてたんだと思うのでアルセニオがアルセニオのままで神の名の下に報われなくても他者を愛するというのなら当然サウロもついていくるだろというお話。誰よりも騎士だけど誰よりも騎士に向いてない。……魔物になったことは罪だけど魔物のアルセニオ/アルマを愛せないとは初めから言ってないからなぁ……そこが多分正解だと考えてしまう……。教国時代にそんな適当な言葉で揺らいだのは犠牲にした人が目の前にいて自分には確かにアルセニオのような良心はないと自覚してたから、だと思うともう後悔したくなかったんだろうねそうだよねと母親のような気持ちになってしまう。神≒アルセニオだからこそ……という話はやはり後述、新刊の話にて。でもこの選択をしたことをサウロは絶対に後悔しないと思うんですよね。そのやり直しの機会を得られたこと、得させようと思ったもち先生流石ハピエンの申し子(勝手に呼んでいる)。アルセニオにとってイスパニアの記憶ていうのはほとんどサウロとの記憶なわけで、魔物になってからの幸せじゃなくて過去の、人間だった頃のアルセニオの幸せを幸せとするためにはサウロと仲直りするだけじゃなくてあの頃の続きを、5年振りにする必要があったのでは?……完全同意です神よ。振り回されて良いようにこき使われて、それでも笑って楽しく愛おしく生きられた、それは確実に家族とサウロがいてくれたからだからその続きが出来なきゃ完璧な幸せじゃあないんだなと感じたのでした……アルマなら可愛いしいっかっていっているサウロですがそのうち絶対アルセニオのままでいい!て言い出しますから、俺は詳しいんだ。

 

三、最新11巻と12/12更新教国最新話。

 

ベティちゃんマジ天使!!!!!!!!

 

え?この一言以外いる?いらないよね?いる?王女様だったベティちゃんですが我が儘ながらビビアンの教育のお陰で曇りなく真っ直ぐ良い子に育ちましたね……助けてて言われて助けてあげる!が言えるのはビビアンの分け隔てなさが生んだ奇跡の純粋さですよ……ビビアンありがとう……だからこそ人間の恐ろしさを知っているアルセニオがこの笑顔を守りたいと強く願って笑顔でいようと決意するに至ったし並外れた頑固さがそれを後押ししてくれたの尊さしかない……黒曜石のお守りはサウロ燃やしちゃった時のトラウマとかそういうのかと軽く見ていたことを反省した……ちょい見せの尋問でも酷いことされてたんだからそりゃ刃物とか色々トラウマになってるよね……しかも偽ビビアンのところで皮を剥がれてたってことは…………なんでアルセニオは偽ビビアンに同じ目に遭わせてやると思わないのか不思議すぎ……アガペーの化身過ぎて怖いしやられたことを正直にサウロとロイドに言ったら偽ビビアン(蛇の姿)が粉々の粉にされるんじゃないかと思わざるを得ない……きっと皆監禁されたとき何をされたかは察しがついただろうけど……正確に言われてたら腸煮えくり返ってるでしょ……私なら殺る……

 

10巻で魔王のツノを取って消えるという話がサウロから出た時なんでそんなこと言うの馬鹿!て思ったけれど最新巻まで読んで「海に飛び込みそうな顔してる」からなんとなく遡って考えてみた。教国編1巻の最後でサウロが「俺は何か罰を受けるんだろうか」の問いの答えは出てたんですね、というのから考えてみてはでどうだろうかと。アルセニオとベティの出会い……アルセニオの空白の5年間が知りたいと言った時、それが今のサウロが真っ向から見ないといけない大事なことだったのではないか?と思った次第です。教国21話前の話でお前が悪魔になったら俺が殺してやるという話があったもののサウロは処刑が失敗するまでは魔導具使いを目指していたアルセニオが悪魔に屈する筈はないと当然のように思っていたしアルセニオと一緒に都市部(もしかしたら国)を追われる覚悟をしていた。でも人間だった頃のアルセニオを知っているからこそ魔物になったことがわかってしまって、わかったからこそ約束を果たさなければと思ったのではないだろうか。その辺りが最終話で出てくると予想したうえで……自分よりも悪魔に取り憑かれることに恐怖していた可能性のある神の良心の権化が「もし悪魔になったら殺してほしい」と言っていた、それを叶えるのがあの日”自分のために””非道な行いをした”己への罰なのかと気付いて、決意して、でもアルセニオの抵抗にあって逃がしてしまった(ご飯勝手に貰ったと言ってたから満腹からの魔力制御出来ずにサウロを燃やしてしまう結果になったのではないだろうか)。逃がしてしまってからは親友の皮を被った悪魔の絶命する姿を、自分の手で決着をつけることがサウロの罰になった。それを達成するには悪魔につけいらせる隙を作らないために親しい人を作らずただ只管に鍛錬して悪魔を憎み魔物を憎み、憎しみに染まる心を神へ祈ることで見ない振りをする必要があったのなら鉄仮面な魔物絶対殺すマン認識を味方にされてたのは納得いくのでは?魔王城で出会った時は絶対殺すマンだったのに最後浮かない顔だったのは魔物なのに人間に庇われて(恐らく慕われて)助け出される魔物アルセニオにもしかして心まで死んでしまったわけではないのでは?と初めてその可能性をみたから自分はまた間違えたのではないかと思い至、る……つら……辛くない?自分で考えて辛くなってきた。仲直りして処刑されるまで人間だったアルセニオを知ったら次は今のアルセニオの全てを自分の命を投げ打ってでも守らないといけない、守りたい、それが罰で贖罪ではないかと思い始めてたら闇だけどそうかもしれないと言えるのが辛い。……好きなのも本当で愛しているのも真実でだからこそ今やっと幸せに近付いているらしいアルセニオを守るのが自分の愛だっていう結論最高に自分のための結論で好き。お嫁さんになってくれたら嬉しいと思いつつ今のアルセニオの暮らしをみて魔物が血に飢えた奴ばかりでないと知ってトノコ信教の自分が傍にいることがよいことと思えるほどサウロはアルセニオに冷たくないはず。恨んでいる魔物もいるだろうと言ってたし元々好かれるタイプじゃない自覚があるのかも。自分のためにアルセニオの傍にいたいと思うことが悪でアルセニオとアルセニオの主人の願いを叶えることが絶対だと気付いたからアルセニオを好いてくれるレイにちゃんと言ってからさよならするつもりだったんだなあって。それは良い魔物もいるというベティやアルセニオの言葉に反することだけど、死ぬかもしれないけれど、それが今のアルセニオを幸せにする方法だと思っている。

 

か~ら~のレイちゃんの根性焼き(冷)

 

レイちゃん本当に好き……え?真っ直ぐの権化なの?何気にタイマンとか挑みそうだもんねいやあの子なら挑む、挑むな。うん。全部が全部アルセニオの気持ちを無視した結論だもんね。そしてレイちゃんも割とそういうところがある。レイなら自分から間違ったと言えるけれどサウロは消えるっていうくらいだし言わなさそう。でもあそこでちゃんとレイが怒れたのはアルマが泣いていたことを知っていたしアルセニオの幸せにはサウロもいるって知っていたしそもそもそんなことしてもアルセニオは悲しむだけだって確信してたからだろうなと思うとレイちゃん格好良い~~~しか言えない。男だけど好きなんじゃなくてアルセニオだから好きってところが唯一共感出来る部分だったんだろうね。トノコ信教の面倒さはアルセニオを見て気付いてたとしてもどうしてアルセニオを信じなかったと責めなかったのは流石に格好良すぎる。その国の中で信仰の中で抗うことの難しさは女の子になったレイと女の子にしてしまったロイドには身に浸みてたのかな……とにかくあそこでライバルとか変に感情いれずアルセニオのために怒れたレイは最高に最高。

怒られてアルマの涙と己の自己中心さを知ったならそしたら次は知らないといけないですよね、アルセニオの空白を。わかってた筈なんですよ、サウロと別れた5年間。想像つくでしょ。それでも知りたいと思えたのはサウロの強さなのか弱さなのか……目を背けないのは強いけれど贖罪がなければ己すら許せないのはきっとトノコ信教らしい弱さな気がする……恵みがあって罰がないといけないのが正しさを求められるイスパニアって感じ……。だがしかし海に落ちようとするのをやめるんだやめるんだ。生きて。今はまた会えるしやり直せる。やり直せる救いをくれるもち先生はやはり神。……でもやり直せることに慣れてなさそうなとこあるよイスパニア組……もっとビビアンを見習ってどうぞ…!何も知らないでいるわけにはいかないからあの決意はよかったしレイちゃんと一緒に守ろうと同盟組めたことは大きな進歩だったよな……大事な人、同じ想いを持つ人、仲間を得てサウロもまた成長していくんだね……イスパニアでは出来なかった成長を……とうとい……。

21話最後、もしも立場が逆だったらの場合。アルセニオは親友が悪魔に取り憑かれたら最後まで信じるだろうし一緒に逃げただろうな、魔物だってなんとかなるはずだなんて解決策もないのに自信満々なこと言って、とそれが誰よりも分かるからアルセニオの話を聞きながらもあの時選択肢を間違ってしまった自分が愚かで憎くて情けなくて消えたいぐらい苦しかったと思う。サウロは騎士として教育を受けていたからこそそんな風には思えなかったのは仕方ないのに一度は助けを求められていたから、その手を取れなかったこと、信じ切れなかったこと、悔しくて悔しくて仕方なかったよな……て想像して勝手に私は泣いていた。だってあの時サウロが一緒に逃げてたら絶対偽ビビアンみたいなそんなことにはならなかったもんな。力があるから、護れたから、だからこそきっと悔しい。過去の自分が憎い、今の自分も殺してしまいたい。自分が罰だと感じていたことすら罰でなくてサウロの罰が今やっと目の前に見えたわけだよ。自分のせいで苦しんだ親友の話を聞くこと、その償いに死ぬことも消えることも親友を苦しめるやり方になってしまうのでサウロはその罰と共に生きて幸せにしてあげなきゃなんだよなあ。……良心として仰いだ誰よりも護りたい親友が神を捨てられなかったが故に、彼が彼だったからこそ、晒された理不尽がサウロへの罰なんだよ……病む……でもアルセニオは恨んでないことは伝えられたしアルセニオの性格はああだからそこまで人生には付きまとわないと思うけれどサウロの心の何処かには残り続けると思うからやっぱサウロとアルセニオがくっつくことが一番のサウロの幸せなのでは~~~?今更自分の幸せのために他者と番おうとか思わないでしょあの男。それなら今現在大好きなアルセニオ(アルマ)とくっくしかないのでは? 最新巻、前巻と併せてサウロの自己犠牲増し増しでトノコ信者は自分を大事にする教え足りてないんじゃないの!?!?!?てなるのよね。でもあの二人は信仰を捨てるとは思えないし自己犠牲増し増しなのはアルセニオも一緒だからお互いに守り合うしかないんだよ!!(サウアルの民並の感想)。

とにもかくにもビビアンに早く目覚めてもらいたいしキングブルとベティが仲良くしている姿が見たいし恋愛矢印がどうなるのか置いておいて皆で楽しくピクニックしてるアルセニオ達が見たいんだ~~~~~というお話でした!でもキングブルとどんどん仲良くなれてアルセニオとサウロの間の溝がなくなってきているのは大変よき!ロリベティちゃんもよき!全てが最高でNOストレスな魔女ツノはいいぞ~~~(心に負担がないとは言っていない)

 

それでは一万字になってしまう前にお開きといたします。

お付き合いくださりありがとうございました!